会計事務所 失敗しない転職活動とは?

転職活動において最も重要な情報収集。しかしながら会計事務所は小規模なものも多くネットではなかなか情報が集まりません。元大手専門学校講師が会計事務所転職市場の裏の裏をこっそりお教えします。

簿記の先生になる

やりたいはずの仕事を見つけたはずの私は 「試験に合格できない。」と言う如何ともしがたい 現実に跳ね返され、またしても人生の軌道修正を余儀なくされました。

 

とにかく正社員という形で働こう。やりたい仕事とか、やりがいとか、 待遇とかそんなこと言ってられない。 当時はそんな心境でした。

新卒ではなかったので、新卒枠では応募できず、 社会人未経験にも関わらず、転職サイトに登録しまくりました。

 

転職のエージェントの面談にも片っ端から行きまくりました。 経理・財務・総務など少しでも学んだ知識が活かせそうな職種に応募してみましたが、 面接までたどり着く企業はありませんでした。

この時、いわゆる会計事務所、税理士事務所も頭をよぎったのですが、 会計事務所は税理士受験生や合格者が働くところと当時は思い込み、応募する事は ありませんでした。 一般企業の書類は、名前の聞いたことのある企業から、なんだか怪しそうなコンサル企業まで笑 30〜40通ほど送ったと思います。

 

今思えば、絶対通るわけないだろ‼︎と思いますが、当時は「会ってもくれない」 てのは結構きつかったです。 途方にくれていた年末年始、新聞記事で大手資格の予備校が 簿記の先生を募集していました。幸い専門学校や予備校は教員の資格 (小学校や中学校のような教員免許)はいらないというではありませんか。

 

藁にもすがる思いで、電話すると、「履歴書を持って、いついつ面接に来てください。」 と。 あれほど履歴書を送っても面接までたどり着かなかったのに、 面接まで進んだ1社目でなんと採用されたのです。

 

会計で一生飯を食う。とまでは言えないものの 結局、勉強して来た会計に救われて、 私は25歳社会人未経験にも関わらず、正社員の職を得ることができました。

小さな勝利と大きな敗戦。

「俺は海賊王になるっ‼︎」 もとい 「俺は会計士になるっ‼︎」

と啖呵を切って始めた会計士受験。 ちょっと面白くないからといってそんなに簡単には撤退できません。

いつも心のどこかで泥沼感を感じつつも、 「勝てば官軍」と自分を騙し騙し、受験勉強を続けていました。

 

会計士試験は短答式試験論文式試験に分かれており、 マーク式の短答式試験と記述式試験の論文式試験があります。 短答式試験財務会計管理会計・企業法・監査論の4科目 論文式試験上記4科目に、租税法と選択科目(経営学・経済学 統計学民法)の中から1科目を選択。の計6科目で行われます。

 

また短答式試験は4科目、論文式試験は6科目の合計点で 合否が決まります。大学受験と同じイメージですね。 (ここが後述の税理士試験と大きく違います。) 泥沼ながらも前進、前進した結果、2度目の受験で小さな 勝利を手にすることになります。

 

そう第一関門である短答式試験に合格したのです‼︎ 短答式試験に合格すると、2年間は短答式試験は免除され 論文式試験を受験することができます‼︎ 私はこの結果に内心ほくそ笑み、これは会計士になれるかもしれない。

 

いや、3回の受験チャンスがあれば論文式試験も必ず突破できる‼︎ 「勝って兜の緒を締める。」はずが、 小さな勝利に慢心し、その後論文式試験で3連敗。。。

精神的にも経済的にも、そして年齢的にも(25歳で社会人経験なしの無職) もう受験を続ける事は困難でした。 25歳の私の心に、大きな敗戦が刻まれることとなったのです。

会計が面白くない??簿記って一体。。。

気合いは十分‼︎知識はゼロ。

会計士受験一年生の戦いの様子をしばしお届けしたいと思います。

 

会計士の授業は「財務会計論」と言う授業からスタートします。 これは会計士試験の受験科目の名前であり、中身は世にゆう簿記です。

貸方、借方も知らず、電卓といえば薬局でもらったしょぼい電卓しか 叩いたことのなかった私。 受験用の12桁電卓をひっさげて、意気揚々と教室に乗り込みました。

 

全国でも有名な資格予備校(まあ、ほぼ二択になるわけですけど笑) の講師の授業たるやさぞ分かりやすいんだろう‼︎ 大学みたいにサボらずに、全出席上等‼︎ 電卓バシバシ、カモンカモン‼︎ なはずだったんですが。。。

 

ワカラナイ。全然ワカラナイ。悲しいぐらいワカラナイ。 (後に自分も大手資格の予備校の講師になるのですが、  当該講座の講師のスキルが低かったわけではありません。) これではいけないと思い、必死に予習・復習し、やっとこさ 少しづつ理解はしていきました。

 

しかし、さらに致命的な事が。。。 オモシロクナイ。 これは正直、かなり辛かったです。 厳しかったです。

会計で一生飯を食うはずが、出だしで計画が大きく 頓挫した事は言うまでもありません。 その後、管理会計、企業法、監査論と順々に科目が開講し、 勉強の量、深さとも日に日に加速度的に増えていくことになります。

唯一、管理会計が得意‼︎かつ好き‼︎と言えたものの 受験全体を通して、面白みより圧倒的に苦痛の方が 大きく、受験生活は日に日に暗黒へと突入していきました。

 

ENJOY大学生公認会計士を目指す。

待遇や企業規模、憧れや業界だけで就活をする友人達を 散々ディスった挙句、 年収が高い。国家資格で固そう。仕事がスタイリッシュそう。

 

と友人達とさして変わらない理由で、公認会計士を目指しはじまた当時の私。 しかしながら本人は「お前らとは違うんだぜっ‼︎」 と言う強烈な自尊心とともに早速大手予備校に 資格講座の申し込みに行きました。

 

多くの人は、簿記3級あたりから初めて、 自分に会計が向いているか。このまま続けていけそうか。 面白く感じたか。 などを見極めてから、公認会計士や税理士の大型資格に申し込むものです。

 

しかし、当時無駄にやる気だけはあった私はイキナリ 会計系最難関資格の公認会計士講座に申し込んだのです。 そうイキナリ。 これが後に大きな誤算を産むことになろうとは、この時点では 知る由もありません。。。

会計や税務業務は、社会が変化していってもこの世の中からなくなる事はない。

「会計はビジネス社会の共通言語」

当時の私を確かに動かしたこの言葉。 なんとどの本だったのか覚えてないんです‼︎笑

もしかすると著者さんの言葉ではなく、本を売るために 背表紙に書かれた誰かのコメントだったかもしれません。

そんなこんなで私の人生を大きく左右する会計との出会いは、 神様の気まぐれとでも言えそうなただの偶然によってもたらされたのです。

 

貸方も借方も知らない当時の私は、 「会計はビジネス社会の共通言語」 と言う言葉の魔力に取りつかれ、 会計で一生飯を決意をしたのです‼︎ 会計で一生飯を食う。

言葉にはしてみたものの果たして それで一生飯が食えるのか。

当時はインターネットが普及し始め、PCや携帯 (当時はスマホではなく携帯ね。携帯。) で様々な事が検索できるようになり始めた時代でもありました。

 

「会計 仕事」「会計 職業」「会計 就活」 などなど調べてみたところ 2つの職業を知ることになります。

 

公認会計士」そして「税理士」 この出会いはのちにまたまた私の人生を 大きく左右するのですが、それは後に譲るとします。

 

2つとも難関国家資格で、独占業務がある。 ふむふむ。年収は総じて高く、さらにさらに 「会計や税務業務は、社会が変化していってもこの世の中からなくなる事はない。」 なるほど。

 

それは確かに。 こうして2つの国家資格を知った私は、なんとなく大企業相手で 仕事の仕方もスタイリッシュそうな 「公認会計士」を目指すことにしたのです。

会計はビジネス社会の共通言語⁉︎

大好きな友人達を散々ディスったところで笑

 

今度はベクトルを当時の自分に向ける番です。

社会人を何年もやっていると、仕事のやりがいの他に 年収・働きやすさ・人間関係等々、重要な事はたくさんあることに 気づきます。

しかし、当時の私は荒れ狂う現代ビジネス社会当然働いたことのない、 尻の青い大学生な訳です。 条件で働く会社を選ぶなんぞ、負け犬どものやること。 俺様は一味違うぜ‼︎と粋がっていました。

がしかし、、、一生やりたいと程の仕事なんてどうやって探したらいいんだ。 ウーーーム。。。

悩んだ私が苦し紛れに考えた一つの基準は 「とりあえず、条件ではなく興味のある職種を選ぼう。」 ということでした。

当時興味のあったものとしてはスポーツ・音楽・教育 あたりが挙げられます。 これらに関係のある仕事を当時調べたのですが、やってみたい‼︎ 程度の仕事はあったものの、これは一生の仕事だ‼︎ と思える仕事には出会えませんでした。

 

時間ばかりが過ぎていき、周りはどんどん就活が進んでいく。 そんな時、本屋さんで一つの言葉を目にします。 「会計はビジネス世界の共通言語‼︎」

 

就職?就社?本当にしたい仕事ってなんだ?

大学3回生になると周りの友人たちも世にゆう「就職活動」を始めました。

まだなりたいもの、なりたい職業が具体的にわからなかった私は、 友人たちに「就職活動」の様子やいわゆるその業界や会社の「志望理由」を聞いて回りました。

 

「これからはグローバル社会だ‼︎世界を相手に総合商社で働きたい‼︎」

⇨なんだよ急に。。。英語も俺よりできねえくせに。なんとなくかっこ良くて  モテそう。ぐらいしか理由ないやろ。笑

 

「これからは金融の時代だ‼︎何億って金を動かしてビックになるんだ‼︎」

⇨給料いいから。土日休みやから。ぐらいにしか思ってないやろ? 金融のキの字もわかってないくせに。俺もわからんけど。笑

(私が就職活動の時はリーマンショックの一年前で、金融系の就職は非常に良かったですが、銀行や証券会社に行った友人は   新人初年度にリーマンショックという悪夢を見ることになります。。。)

 

「僕は日本が昔から得意としてきた製造業。そうメーカで働きたい‼︎製造業で日の丸日本復活だ‼︎」

⇨メーカで??どのメーカー?入ってどんな仕事したいの??そもそも文系卒  新卒生が製造の中枢に関わったりする??

 

さしてなりたいもののなかった当時の私が言うのもなんですが、 私の友人の誰一人として、本当の意味での「就職」活動をしている人はいない気がしました。

みんな憧れや、働きやすさ、条件だけで憧れの企業をあげつらっているだけでした。 そして、就活本にあがっている志望理由をデフォルメしてさも自分自身の志望理由の ようにでっち上げ「就社」活動に勤しんでしまいした。

 

本当にしたい仕事ってなんだろう?? これが当時の私に芽生えた問題意識でした。